何か探している

まず蜘蛛の巣を取り除かなければならない。トタン屋根の下、細い銀の糸を見逃さないように薄暗がりに目を凝らす。
かつては毎日通勤で乗っていた自転車は、今や2週間に一度、図書館を往復するのみ。ちょっと乗らない間に蜘蛛は巣を張る。絵に描いてやりたくなるほどに立派なやつを。 “何か探している” の続きを読む